廃棄物は大きく産業廃棄物と一般廃棄物に別れます。
事業活動に伴って生じたものが産業廃棄物、それ以外が一般廃棄物となります。
産業廃棄物の処理責任は排出した事業者が負い、一般廃棄物は市区町村が負います。
産業廃棄物の種類
産業廃棄物には排出する業種などが指定されているものがあります。
廃棄物の名称に※がついているものは、特定の施設から排出され、有害である場合には特別管理産業廃棄物となります。
排出元の業種に関係なく産業廃棄物に該当するもの
燃え殻 ※ |
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電気事業などの事業活動に伴って生ずる石炭がら、灰かす、炉清掃掃出物など |
汚泥 ※ |
工場排水などの処理後に残る汚泥のもの及び各種製造業の製造工程において生ずる泥状のもので、有機質の多分に混入した泥のみを指すのではなく、有機性及び無機性のものの全てを含む。無機性汚泥の代表的なものとしては、赤でい、珪藻土かす、炭酸カルシウムかす、廃白土、浄水場の沈殿池より生ずる汚泥など |
廃油 ※ |
鉱物性油及び動植物性油脂に係る全ての廃油を含むものとし、潤滑油系、絶縁油系、洗浄用油及び切削油系の廃油類、廃溶剤類及びタールピッチ類(常温において固形状を呈するものに限る) |
廃酸 ※ |
廃硫酸、廃塩酸、各種の有機性廃酸類をはじめ酸性の廃液全て |
廃アルカリ ※ |
廃ソーダ液をはじめとする全てのアルカリ性廃液(中和処理した場合に生ずる沈殿物は汚泥として取り扱う) |
廃プラスチック類 |
合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくずなど合成高分子系化合物に係る固形状及び液状の全ての廃プラスチック類 |
ゴムくず |
天然ゴムのくず(合成ゴムは、廃プラスチック類として取り扱う) |
金属くず |
切粉、ショットプラスト(金属のみがきに使用したものに限る)、スクラップ、ブリキくず、トタンくず、空き缶、鉄くず、鉛管くず、銅くず、アルミくず、研磨くず、切削くず、バリ、ダライ粉など |
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず |
① ガラスくず:廃空き瓶類、板ガラスくず、ガラス繊維くずなど ② コンクリートくず:製品の製造過程などで生じるコンクリートくずなど ② 陶磁器くず:土器・陶器・陶器くず、耐火煉瓦くずなど |
鉱さい ※ |
鋳物廃砂、サンドブラスト廃砂(塗料かすなどを含む物を除く)、転炉・高炉・平炉・電気炉・溶融炉などの残さい(スラグ)、キューポラのノロ、ドロス・カラミ・スパイス、金属スラグ、不良鉱石、不良石炭、粉炭かす、鉱じん、廃土石類(鉱石の加工の際生じるものに限る)など |
がれき類 |
工作物の新築、改築及び除去に伴って生じたコンクリートの破片、アスファルト・コンクリートの破片、レンガの破片その他これらに類する不要物 |
ばいじん ※ |
大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設、または産業廃棄物焼却施設において発生するばいじんであって、集じん施設によって集められたもの(電気集じん機捕集ダスト、バグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダストなど) |
処分するために処理したもの(13号廃棄物) ※ |
産業廃棄物を処分するために処理したものであって、他の種類の産業廃棄物に該当しないもの(例:有害汚泥のコンクリート固型化物) |
指定された業種等から排出されたもののみ産業廃棄物となるもの
紙くず |
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① 建設業(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)に係るもの ② パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)出版業(印刷出版を行うものに限る。)、製本業及び印刷物加工業係るもの ③ PCBが塗布され、又は染み込んだもの |
木くず |
① 建設業(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)に係るもの ② 木材又は木製品製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業及び、輸入木材の卸売業に係るもの ③ PCBが染み込んだもの |
繊維くず |
① 建設業(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)に係るもの ② 繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの ③ PCBが染み込んだもの |
動植物性残さ |
食料品製造業、飲料・飼料製造業、医療品製造又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物 |
家畜ふん尿 |
畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物の糞尿 |
家畜の死体 |
畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物の死体 |
動物系固形不要物 |
と畜場においてとさつし、又は解体した獣畜及び食鳥処理場において食鳥処理した食鳥に係る固形状の不要物 |
特別管理産業廃棄物
産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他人の健康又は生活環境に係る被害を生ずる恐れのある性状を有するものは、特別管理産業廃棄物として区分されています。また、特に有害性の強いものは「特定有害産業廃棄物」として扱われます。
引火性廃油 |
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産業廃棄物である揮発油等、灯油類、経由類(引火点70℃未満のもの) |
腐食性廃酸 |
水素イオン濃度指数(pH)が2.0以下のもの |
腐食性廃アルカリ |
水素イオン濃度指数(pH)が12.5以上のもの |
感染性産業廃棄物 |
医療関係機関等から排出される産業廃棄物であって、人が感染し、若しくは感染のおそれのある病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれのある廃棄物 |
以下は特定有害産業廃棄物となります |
廃PCB(ポリ塩化ビフェニル)等 |
廃PCB及びPCBを含む廃油 |
家畜の死体 |
畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物の死体 |
PCB汚染物 |
産業廃棄物のうち、PCBが染み込んだ汚泥、木くず、繊維くず、PCBが塗布され又は染み込んだ紙くず、PCBが付着し、又は封入された廃プラスチック類、金属くず、PCBが付着した陶磁器くず、がれき類 |
PCB処理物 |
廃PCB等又はPCB汚染物を処分するために処理したもので、以下の基準を満たさないもの ① 廃油 PCB 0.5mg/kg以下 ② 廃酸、廃アルカリ PCB 0.03mg/l以下 ③ 廃プラスチック、金属くず、陶磁器くず PCBの付着又は封入が無いこと
④ 上記以外(汚泥、燃え殻、ばいじん) PCB0.003mg/検液l以下 |
PCB汚染物 |
産業廃棄物のうち、PCBが染み込んだ汚泥、木くず、繊維くず、PCBが塗布され又は染み込んだ紙くず、PCBが付着し、又は封入された廃プラスチック類、金属くず、PCBが付着した陶磁器くず、がれき類 |
鉱さい |
環境省令で定める判定基準に適合しないもの |
廃石綿等 |
建築物に使用された吹きつけ石綿・石綿含有保湿材を除去したもの及び石綿建材除去事業で使用した用具類(廃プラスチックシート、防塵マスク、作業衣)など 大気汚染防止法の特定粉じん発生施設の集じん施設で集められた飛散性の石綿など |
廃油 |
政令で定められた一定の施設から排出される、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロメタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,3-ジクロロブロペン、ベンゼン(いずれも廃溶剤に限る。濃には関係ない)又はこれらの処理物 |
その他 |
政令で定められた一定の施設から排出される、環境省令で定める判定基準に適合しない、ばいじん、燃え殻、廃酸、廃アルカリ、汚泥又はこれらの処理物 輸入廃棄物焼却炉ばいじん、燃え殻、排ガス洗浄汚泥又はこれらの処理物 |
(備考)指定下水道汚泥は、発生例がないため省略。